三不善根、在るが儘
第一部 『魂転征く』2008年 5月
大学生グループの男女四人がネット掲示板で知った、都市伝説の場所へ肝試しに行く。
それは話題になった『コトリバコ』
ではなく、村にある、ただの箱。
2009年 6月
四人の内、一人の女性が捜索の中で見つかった。彼女を警察は3日間聴取したあと、家族の元へ戻した。
ある日の夜
夜中に突然金切り声をあげ、焦点の合わない目で部屋の鏡を割っていた。音に気がついた家族は女性を取り押さえ、精神病院へと緊急入院させた。
その間、彼女は『嗔恚の巫女に殺されてしまう』とずっと呟いて怖がっていた。
あの日から女性の家族は怪奇現象に遭った。最初は些細なものでした、彼女の持つ縁から綱渡りしていき、女性を中心に呪いは広まっていった。
母親と妹は腹を裂かれ、父親は袈裟斬りに首に一筋の跡が残っていた。
家族の共通点は眼をくり抜かれていること。
女性は病室からの飛び降りを試みており、現在は四肢を拘束され、夜を過ごしている。
この怪奇現象は二級と認定され、調査。及び、祓除すること。
以上」